にっき

SL「大樹」の試乗会に参加しつつ黒いアイスを食べたり転車台が動く様子を見てきたよ

8月2日は、東武鬼怒川線の下今市駅まで行って、蒸気機関車であるSL「大樹」の試乗会に参加してきたよ。以前にSL大樹が動く様子を間近で見たことがあったけど、今回は試乗会という殆ど本営業と同じ形で下今市駅から鬼怒川温泉駅まで乗ってきたんだ。ここではSLについての詳しいことは書かないから、東武鉄道のSL復活運転プロジェクトサイトを見てね。

事前にもらった乗車証と座席表

後から知ったことだけど、今回のSLの試乗会は、東武鉄道の株主向けだったみたい。オレの場合は違って、東武鉄道から地元の自治体に招待を受けて参加することができたよ。もらえた枠は20人で、最終的には少し溢れたけど、幸いにも抽選にはならずに無事に乗車証と座席表がもらえたんだ。ありがとう東武鉄道。

SL大樹の座席表と乗車証

これが座席表と乗車証。座席表の裏には試乗会に参加する上での注意事項が書かれていたよ。乗車証によれば、今回乗る場所は1号車の窓側という恵まれた場所。試乗会ではあるけど、各スタッフさんや乗務員さん達の訓練を兼ねているらしい。せっかく良い場所をもらえたのだから、当日は乗車証を忘れずに楽しまなきゃね。

いつの間にか新しくなっていた下今市駅

1時間近く前に下今市駅に到着。SLの試乗会に参加するために一旦改札を抜けて、試乗会の乗車証を駅員さんに見せて再入場するよ。

リニューアルされた下今市駅

まだSLに乗車するまでの時間にかなりの余裕があるから、リニューアルしたという下今市駅の駅舎をじっくり眺めてみようか。実は東武鉄道の公式サイトで公開されていた写真で既に確認していたんだけど、実物を見れば見るほど真っ黒な駅舎だね。

駅名が書かれた看板をよく見ると、当時を再現するかのように、書かれている字の読み順が真逆。戦前までは横書きの英語があまり普及していなかったからか、日本語は横書きでも右から左の順に読まれていたみたいだね。

この駅舎はSLが現役だった時代を意識しているようだけど、戦前まで遡らないといけないほどSLは古いものなんだね。そんなものが綺麗に蘇ったことに驚きだよ。技術の進歩ってスゴイ。

乗車証で再入場をして北側に進んでいけば、SLの向きを変える転車台広場とSLの機関庫があるけど、その前にSLの展示館があるよ。そこを覗いてみよう。

SLの歴史や、走る仕組みなど、SLマニアがよだれを垂らしそうな資料が沢山飾られていたけど、ただノスタルジーに浸りたいオレはそんなものに興味はなかった。そういうオレは、SL展示館に入って目の前にあった、SLが走る模型だけが癒し。子供に混じって動く模型に夢中。模型は誰でも子供の頃に戻してくれる魔法のおもちゃだね。

SLの転車台広場

一通り展示館の様子を確認したら、さらに先にはSLの転車台広場があるよ。目線の先にはSLの機関庫とSL「大樹」。その右側にはSLと連結される客車である14系が待機しているよ。

どれも新鮮だけど、手前のアーチの上に象られたSLの絵が精細に出来ていて、個人的にはこっちの方が見応えがあるね。もし来る予定のある人は、このアーチもじっくり見よう。

SL大樹の車庫

機関庫でこっそりと顔を出すSL。これから鬼怒川温泉駅まで走るから、点検を終えた後に客車と連結してホームに入るんだね。オレは一足先にSLが到着するホームで待っていよう。

SLがホームに到着したよ

16時20分頃にSLが到着。列車の時刻や行き先などが表示される掲示板には、今回のSLの試乗会を「団体」と出しているね。

SLと記念撮影する人たち

SLが到着する前に、「本日はSL『大樹』の始発駅『下今市駅』へようこそおいでくださいました。これから35分間、当駅から鬼怒川温泉までの間、丘陵からは雄大な日光連山や大谷川、鬼怒川の眺め、のどかな田園風景をご覧いただけます。本日はSL『大樹』試乗会にご参加いただき、誠にありがとうございました。」という駅員さんからのとってもご丁寧なご挨拶。試乗会でそこまで丁寧な案内をされるとは思わなかったものだから、オレの中で緊張が走る。

SLが到着すると、試乗会に参加するお客さんに対しての計らいとして、SLと家族が映るように駅員さんがカメラのシャッターを回してくれていたよ。家族の人が多めだったけど、オレも勇気を振り絞って駅員さんに写真をお願いしておけばよかったかもしれない。せっかくのいい機会だしね。もう今更遅いし、また乗るときにお願いしてみよう。

JRの14系車内の様子

列車の入り口前に立っているアテンダントの人に乗車証を見せて中に入るよ。客車の中はノスタルジーが湧き出るSLとは打って変わってとっても近代的。とはいえ、もう空調設備がないほど古い客車が残っているとは思えないし、夏のこの時期に空調設備のない客車は体調を崩すし、仕方ないよね。

SLに乗りながら黒いアイスを食べるよ

SLが来る何時間か前に、何らかの原因で遅延が起きていたらしい。オレが今乗っているSLも少し遅れて、5秒程度の長い警笛を鳴らした後に発車したよ。

さすがはSL。ここ最近の電車よりも加速がとってもゆっくり。具体的にどのくらいの速度を出していたのかは分からないけど、ロードバイクで十分に追いつけそうな速度だったのは間違いなさそう。そうはいっても、ここでのSLは観光列車だし、鬼怒川の風景を眺めることも目的だから、速度はどうでもいいんだけどね。

上の動画は車内からから見た大谷川。東武鬼怒川線に入って早々この川が出迎えてくれるから、この川を見るたびに鬼怒川という観光地に来たということを知らされるね。いつも乗っている電車と違って、SLが客車を引っ張ってくれているような独特の揺れを感じるこの感覚。昔の人はこんな揺れを感じながら乗っていたんだと、ささやかながら昔の気分を味わったよ。人によってはこの言い表しづらい揺れが酔いを誘いそう。酔いやすい人は酔い止めを飲んでおこう。

SLの営業に合わせて、乗務員さんや鬼怒川線沿いに住んでいる人たちが協力して、SLに向かって手を振る運動をしているんだって。SLに乗っている間は、家の中から、車の中から、東武鉄道の乗務員さん等、色んな人が手を振ってくれるよ。SLから眺める自然の風景だけに止まらず、こういった地元住民の暖かさをも感じることができるというのも面白いね。暖かさを求めるためにリピートする人も出てくるのかな。

SL大樹名物の黒いアイス

アテンダントさんが乗車証を確認しつつ判子を押してくれた後に、黒いアイスなどの食べ物を販売しに来てくれるよ。とりあえず黒いアイスとはどんなものか気になったから、ひとまずいちご味をゲット。

アテンダントさんがびっくりすると言っていたけど、本当にびっくりするくらいに黒いよ。まさにSLの燃料である石炭のよう。恐る恐る口に運んでみれば、確かにいちご味。オレ自身も黒い石炭のようなアイスを食べることで、美味しい気分になりながらも、SLの燃料になった気分を味わえるかもしれない。一度はみんな食べてみよう。

ちなみにこれは偶然なのかは知らないけど、使っている材料や賞味期限などが書かれている部分を見ると、販売者の部分が「こいしや食品」と書かれているのが面白い。この辺もSLの石炭になぞらえているのだとしたらなかなかだよ。

転車台を使ってSLの向きを変える実演会

下今市駅を発車して以降、途中で最近開業した東武ワールドスクウェア駅でも停車したよ。ただし、試乗会の場合だと途中下車はできないけどね。本営業が開始されれば、途中下車ができるのだろうけどね。

鬼怒川温泉駅での転車台

東武ワールドスクウェアを出れば、次の駅は目的地の鬼怒川温泉駅。アテンダントさんがお別れの挨拶をし終えると、参加者のみんなから拍手喝采。これだけの拍手を聞くと、改めて試乗会に参加した意味があったと思えるよ。ありがとうSL。ありがとうアテンダントさんと運転士さんに機関士さん。

鬼怒川温泉駅を出れば、すぐ目の前には大きな転車台がお目見えしているよ。転車台の目の前には、SLの営業運転開始のカウントダウンがされている電光掲示板と、SLの入線時刻が書かれたプレートが設置されているよ。10時半と13時50分と17時25分の3回。結構多いね。

今回の試乗会で時間を当てはめると、3回目の17時25分だね。転車台にSLが乗ると、転車台の周りに固まっている人たちに配慮しながら、小刻みに転車台でSLを回転させて、何度も写真撮影の時間をくれるよ。嬉しい配慮だね。

写真撮影のチャンスになるたびに、SLが数秒程度の警笛を鳴らしてくれるサービスもあるよ。時々耳の穴を塞いでいないと、ちょっと耳が痛くなるかもしれないから気をつけてね。

鬼怒川のサトちゃんとサトコちゃん

小刻みに回転していたSLも、完全に逆方向になるまでの回転を終えたら、遠くに過ぎ去っていくSLと機関士さん達に手を振ってお別れしたよ。ありがとう。そしてお疲れ様でした。営業開始後にSLに乗る機会があったら、その時はお世話になります。

特に手足が疲れていたわけではないけど、近くにあった足湯に浸かったり、駅前を歩きながら、帰りの電車までの時間を潰していくよ。すると、薬局屋さんにサトちゃんとサトコちゃんを発見。結構見ている印象があるけど、頭の中で考え直してみれば、意外と見ないんだよね。せっかくの出会いということで写真を撮りつつ、サトちゃん達ともお別れ。これからも末長くSLを見守ってほしいね。

帰りの電車を待っていると、ちょうど隣のホームでSLと客車が連結をする作業をしていたんだ。せっかくだから、SLが過ぎ去って行く様子も動画で記録しておこうと思っていたけど、さすがにそこまで粘ると、家に着く時間が夜遅くになってしまうから、オレは電車からSLを見送ることにするよ。ありがとうSL。また鬼怒川で会おう。

この日のことは一通り動画に収めてあって、下今市駅から鬼怒川温泉駅までの車窓も撮ってあるから、気になる人は動画で見てみてね。

コメント&トラックバック

2件のコメント

  1. エアコンがついていない客車って実はまだ残っていて(旧型客車なんて呼ばれる奴)、JR東日本のSLなんかだとそれで運行されていたりします
    正に想像している通りのノスタルジックさかと

    転車台の小話をすると、静岡県の大井川鉄道は転車台が最近までなくて
    下り列車は「客車-後側(SL)前側→進行方向」と普通の向きでしたが
    上り列車は「客車-前側(SL)後側→進行方向」と言う目を疑う運転をしておりました
    大変どうでも良い話ですが、大変面白いので是非「大井川鉄道 バック」などで検索して頂ければ

    完全に大樹に関係ないコメントでスミマセヌ…

    • 「旧型客車」で画像検索してみたのですが、まさに私が見たかった車内ですね。というより、JR東でもSLが活躍していることが初耳です。SLだと東武や秩鉄しか知らないゆえに、この機会に色々と知っておいた方がいいかもしれないですねw

      大井川鉄道のバッグ動画も見ました。目を疑う光景ですが新鮮ですねw転車台は今やほとんど無いようで、東武の場合だと、他社の使われていない転車台を持って来たと聞いています。末長く大事に使い続けて欲しいですね。

      いえいえ、貴重なネタを知ることができて嬉しいです。ありがとうございます。

野狐 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください